摘出手術
グロームス腫瘍は前述までの理由で、謎の指先の痛みとして長年放置されてしまうこともよくあります。触れたり、当たったりすると強く痛むのに、生活の上で何とか過ごしている患者が多いのも特徴的です。
問題なのは、痛みがかなり強くなって我慢できずに来院すると、腫瘍が骨を侵食する程にまで大きくなってしまっていたというケースがあることです。基本的に良性の腫瘍なのですが、痛みがひどい点は非常に問題です。とにかく、指先が当たると激しい痛みがあって変だと思ったときには、できるだけ早めに整形外科を受診した方がいいでしょう。
さて、グロームス腫瘍の摘出手術、ですが手術後にどのくらい痛みが続くのか気になると思います。グロームス腫瘍では、爪をはがしての手術となります。手術自体は麻酔が効くので全く痛くないのですが、麻酔の注射はかなり痛いようです。右手人差し指の手術をした人の報告では、手術の2週間後程度では、まだ痛みは取れずに、利き腕の場合なら、トイレで困るそうです。それでもその後には、激痛とは無縁になったそうです。
補足になりますが、珍しい例として、側頭骨内グロームスというのもあります。頭頸部のグロームス腫瘍ということになるのですが、これの発生頻度は年間1000万人に1名ということで、非常に稀な疾患です。あえて言えば、40~50歳代の女性に多いそうで、症状としては、拍動性耳鳴、難聴、耳痛、顔面神経麻痺、下位脳神経症状などです。診断としては、耳鼻咽喉科で鼓膜を介して赤黒い腫瘍として発見されることが多いそうです。これも基本的に手術が第一選択として奨められるようです。